日々の庭づくり/造園施工
池の作り方と施工手順(防水シートを使ってできる手軽な池庭づくり)
防水シートを使った池の作り方を紹介します。
庭に池を作る場合、様々な防水の方法があります。日本庭園の池泉では、池の縁(護岸)に石を組むため、粘土工法やコンクリートを使った袋打ち工法が用いられてきました。ですが、元来の工法は非常に大がかりな工事になるため、一般家庭の庭には不向きな場合があります。
今回施工させて頂いた池は、カエルの産卵やトンボの産卵、水辺に集まる昆虫や水生植物の観察を目的としているので、手軽で安価に施工できる防水シートを使用しました。
それでは今回の施工手順を紹介したいと思います。
池の大きさと形を決め、仮に杭を打ってから池を掘り始めました。池の周囲を水平にするために、杭に水平線を表示します。
シートを押さえる枕木を仮置きして水平を確かめます。また枕木の位置を決めて穴の位置を合わせています。
掘り終わったら、池の内側をつき堅め、砂をまいて凹凸を無くします。
シートを敷く下に、不織布等の保護材を敷き詰めます。ゴワゴワしてシワになりやすいので、たくさん切り込みを入れました。
防水シートを敷きます。水の重さを利用して、池底とシートを密着させるために、7分目まで水を入れます。防水シートはグローベン社 製で、他社製に比べゴムの厚みがあり伸縮性もあり、丈夫です。また、シートのサイズは規格化されているので作ろうとする池の大きさにあった物を選びます。 シートが小さくて途中で継ぎ足す事になると、施工上苦労するだけでなく、漏水の心配も出てきます。シートの大きさは 池の幅+池の深さ×2 に50センチ 程度余裕をみて選びましょう。
シートが池底に密着したらシートの端を固定します。今回は枕木を使用しました。
シートの上に玉石を敷き、池の完成です。
小さな池ですが、たくさんの生物が集まる、都心で自然を感じる事のできる場所になりました。