日々の庭づくり/造園施工
敷石施工例 江戸時代古民家の石畳
この度敷石改修工事を施工させて頂いたT様のお宅は、東京都足立区千住柳原町の古民家です。江戸時代に建築された母屋は約200年の歳月を経ています。 江戸時代の火災や関東大震災を乗り越えてきた建築は非常に味わい深い趣があります。 時代を経た建築に見合う石畳となるように努力しました。
石材は御影石板の古材を再利用しました。近年の御影石は輸入品が多く、国産の御影石の風合いとはかけ離れているためです。 古い民家を改修するときに、 多くの石は捨てられてしまいますが、私はなるべく再利用したいと思っています。 昔の材料は現在と比べ物にならない程風格と味わいがあります。板石に関し ても、機械でまっすぐに切られた石と手作業で切り出された石とでは大きな違いがあります。昔の様に手作業で石を切り出す場合は、石の節理や石目を見極め て、自然に逆らわない方向で切り出します。現在の材料はカッターで切るので、あまり考慮されないようです。 手作業でノミ切りされた石はゆがみが有り据え にくいのですが、そんな材料を石畳にしていくのがとても面白いのです。
ご先祖様から伝わってきた建築を大切に維持されているお客さまのお宅で、古材を生かした仕事をさせて頂けてとても有り難いと思いました。
掲載日:2015.04.08